今回、私が購入した土地に建っていた、木造の古いアパートを解体してから木造アパートを新築します。 賃貸アパートの建築にはどれくらい費用がかかるのか。どの様に現場は進むのか、気になりませんか?今回は、私がアパートを新築した時の流れを写真と共に解説していきます。
古家を自分が解体するときには立ち会おう
木造建物の解体作業自体は、数日で終わりです。解体業者さんに任せておけば、あっとゆうまに更地になりますが、時間のあるときには、立ち会ってみて欲しいと思います。みなさんも立ち会うと色々と判ることがあるからです。 現場での情報を、タイムリーに作業員さんや職人さんから聞くことで、たまには隣の壁がぐらつく等の大切な情報も入手でき、素早い対応や準備をすることができます。やはり、現場とのコミュニケーションはたいせつです。 下の画像が今回解体したアパートです。

解体業者が知らせてくれた埋設管の越境が判る
今回、現場で解体業者さんが教えてくれたこのひとつに、おとなりの土地の埋設管が、越境して接続されていたことがわかりました。ほかにも、敷地内の古い升(ます)は撤去しなかったこと、おとなりとの境界塀が、重機で作業していると、揺れて倒壊しそうな状況であることなど。様々な情報が得られました。
アパートが立ち並び、小さな建物が密集する地域では、下水管や給水管などの埋設管が、他人の敷地に越境して接続されていることがあります。解体工事の作業中に、この埋設管の越境などに作業員が気が付くことで、思ってもみなかった問題まで確認できることもあります。
現場での情報は大事!古家の解体作業は立ち会おう
小さな建物が密集する地域で不動産を買ったら、いろいろなことが起きてもおかしくありません。近隣住民との良好な人間関係を築きながら、工事を進めることも大切なポイントです。
新築するアパートの見積もりを確認する
解体工事と同時に進行した作業が、新築するアパートの建築工事代金の見積もりです。アパートの建築費は一戸建てとは異なり、設備等の関係で建築費は戸建よりも割高になります。今回は、戸数も4戸と少ないために建築コストは更に割高になります。ちなみに、見積もりを数社におねがしましたが、見積金額は建築会社によって最大25%位差が出ました。
アパート建築専門の工務店の方が、建築費が低く抑えられる
工務店に建築を依頼しても、住宅系とアパートの両方を建築経験のある工務店をさがしてみました。するとアパートを専門に建築する工務店がありました。アパート建築専門の工務店の方が、建築費が低く抑えられる傾向があります。また、地元工務店や不動産会社が、反復して発注をしている建築会社は、更に建築費が低いことが多いです。
今回は、建売アパート業者が発注する、地元の工務店に依頼しました。自分で言うのもなんですが、建築費を抑えながら、仕様は一定基準を満たす内容となり、間取りのプランと建物の仕様には満足しています。
建物の仕様は、浴室乾燥機、温水便座、準耐火構造、防腐処理集成材の使用など個別の仕様は要チェックです。今回の工務店は、住宅を自社で建築して販売している建売業者や不動産会社に建築工事を教えるために数社へ迎え入れられ、建築の指導している建築会社です。
私も数十年建築現場を見ていますが、最終的には現場の職人さん個人の技術や職人さんの性格による仕上がりの優劣が大きいと感じています。今回、アパートのデザインも色々と考えました。若い入居者を意識して、女性でも安心して住むことができる、セキュリティーを重視しました。建物の強度も安全性、居住性、デザイン性を重視した建物を造り上げていく計画です。建物の計画がすべて決まり建築確認の提出しました。
土地の地盤調査へ
アパート建築予定地では、地中の地盤が固い場所まで杭を打つため、地盤の固さを測る作業、つまり”地盤調査”をおこないます。作業日数は一般的にほぼ1日で終了します。今回建築予定の建物は、木造2階建ての総戸数4戸の小さなアパートになります。アパートとしては比較的、建物自体軽くなります。 地中何メートルの場所に硬い地層があるのかは、地中杭の長さに直結するため費用にも影響します。
杭の予算は建物とは別になります
調査では深さ4mの位置に固い地盤が確認できました。結果的に表層を改良するのではなく、杭を打つことになりました。杭にも種類があります。コンクリートで”柱状の杭を現場で作る方法”や、”鋼管杭を使用する方法”などが一般的です。注意していただきたいのは、杭の工事費用は、建築費の概算とは別に予算を計画すべきものだ。ということです。
杭の金額は変更することが多い
杭の工事費用は、地盤調査の結果と建物の規模などで金額が変わるので、予定額が変更になりやすいです。特にご予算ぎりぎりで一戸建て住宅やアパートを建築を考えている方は注意してください。
先日、聞いた話でも、東京郊外で100㎡位の土地に木造2階建てを建築受注したが、杭の費用が変わり、最終的に予算よりも、なんと100万円位超えてしまったそうです。これには大手ハウスメーカーの営業マンもお客さまへの説明に困ってしまった様でした。
杭工事の金額は、地盤調査の結果と設計図面を基に”本数”や”深さ”、”種類”などが決定するので、事前に明確ならない。
具体的には、都内で、一般的な規模、66㎡位までの土地に杭工事が必要と判断された時、金額的には約50万円から200万円強と大きな開きがあります。
今回のアパート工事は、建築予定地近くに河川があり、地中でコンクリートが固まりにくい事があることがわかりました。そのためコンクリート杭ではなく、鋼管杭のほうが良いと設計士からアドバイスをもらい、 鋼管杭にきまりました。 将来の建て替えを考えた時に、柱状改良よりも鋼管杭が撤去をしやすいと設計士からのアドバイス。
ちなみに、約60㎡の敷地面積に、28本!地中4mの辺りにある固い岩盤層をめざし、口径約140㎜の鋼管杭を打ち込むことに!結構な本数です。

設計図面を基に、杭を打ちこむ場所が決まります。そして杭が打ち込まれた後にはベタ基礎が施行されます。ベタ基礎はしっかりと配筋がなされ、最終的に検査機関が配筋検査を行います。その後にコンクリートが流され頑丈な基礎が造られていきます。

最近の基礎を見ていると、まるでコンクリートの塊の上に建物が乗る様な印象を受けますね。
ベタ基礎で施工
今回、アパートの基礎は、地盤調査後に杭を打ちベタ基礎で施工しました。土台の木材は防腐処理した乾燥剤を使用。これは木材のひずみを最小限にするために選択した材料です。 写真のベタ基礎は、湿度対策を考えて、標準の高さより地面からの高さを高く造られています。
木工事へ、大工さんの腕次第のところも…
これから上棟して木工事に入ります。上棟すると小さな建物でも全体に大きく感じます。木工事の期間は約40日位。今回は、お仕事が丁寧な大工さんに当たり一安心。一番大切なのは、現場で実際に作業をしてくれる職人さんたちです。大工さんの技術が大切なのは当然のことですが、職人さんたちの性格でも完成した建物は大きく変わります。 大工さんの個人的な性格は、明確に作業に現れます。なるべく几帳面で丁寧な性格の大工さんが理想です。
しかし一般的に大工さんの性格まで希望することは難しいかもしれません。今回は工務店が厳選して理想的な職人さんに作業依頼をしてくれました。工務店社長の自宅の木工事を担当した大工さんです。


雨漏りの起こりやすい箇所は、事前に雨漏りを予測して対策した施工方法をするそうです。細かく丁寧な工務店の社長に説明を聞くことができました。こんな時間をすごすことで、職人さんとの信頼関係も構築されます。作業の邪魔にならない時間に、配慮しながらコミュニケーションを取ることも大切です。
良い建物を建築してもらうことは、入居者には快適な住空間の提供ができます。さらに良い建物が建築することで、将来の修繕費軽減に繋がるというメリットがあります。
新築アパートいよいよ完成へ
居住性と、最寄り駅5分の立地、そして今回、デザイン性重視の仕様が当社のコンセプトのアパート!いよいよ完成です。 建築に最初から携わり、完成するとなると思い入れも強いものです。室内は、若者の入居者を意識したクロスや内装にしました。 注目点は、1階のワンルームの居室部分にはロフトがないことです。賃貸募集が始まった時に、ロフトがない影響ははたしてどのくらいあるのか。ここが気になるところです。
今回、長期ローンを組みますので、安定した入居率を考えると、1階部分のお部屋には若干心配があります。ですが、 コンセプトが受け入れられて、高い入居率が維持出来るのか、とても楽しみな試みです。
こだわりのおしゃれな室内。室内は、若者の入居者を意識した内装にしてみました。赤いキッチンやおしゃれなライトなど好みが分かれるかもしれませんが、チャレンジしてみました。



いよいよ入居者も決まり満室運営!
床は白いフローリングで施工。勝手に女性を意識していたお部屋ですが、最終的には関西の大学を卒業した新卒の男性の方が入居しました。建築中に遠方から入居申し込みをしてくれました。気に入ってもらえて、ご本人から「丁寧に使わせて貰います」と言われ思わず嬉しくなる心境。
他にも、女性の方にもご入居いただけました。一完成した時の内覧で、「はやくここに住みたいな~」とつぶやきが聞こえ、大変嬉しく感じ、建物を建築して、ご提案する楽しさに気づかされました。
まとめ
アパートを新築するには、色々な作業や細かな問題がいくつも発生します。私は、投資目的でアパートを購入する場合には、新築中古を問わず建物が付いている投資物件をおすすめします。雑務が多すぎるのは、難点のひとつになります。今回は、使用できない建物を取り壊し、新築するまえを解説しました。このブログには、みなさまの不動産売買に役立つ記事が多く書いてありますので、ご参考にして頂き売買を成功させてください。
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