境界立会依頼は無視していいのか、協力した方がいいのかお悩みの方へ。
境界立会のお願いは、突然の電話や訪問、あるいは手紙でくることもあります。突然そんな手紙や電話が来たら、なに?新手のセールス?なんの目的?と思いますよね。今は紙媒体や固定電話も少ないですから、そんな中突然の電話や投函の手紙があれば、正直誰でもびっくりしてしまいます。
この記事では、境界立会とは、一体何か。そして誰が何のためにかけてくるのか。そして境界立会を無視してはいけない理由と、あなたにもメリットがあるというお話を書いています。
最後に境界立会でも注意が必要な場合についてもかてありますので、ご興味があれば最後まで、必要な箇所だけお読みになりたければ、目次から選んで是非読んでみて下さい。
境界立会依頼とは何か。どんな作業をするのか。
ポイント
境界立会とは、土地家屋調査士が隣地との境界を明確にする作業のことです。
実際の作業内容はこうです。
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1土地家屋調査士さんが、”仮”測量図をもってきます
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2境界の説明をしてくれます。
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3現在境界杭が無い場合には、土地の所有者同士が立会いのもと、地境に新しく杭を入れます。あれば現状確認になります。
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4互いに境界の確認がとれれば、完成した測量図に、立会い印を押して終了
これで作業内容は終了です。いわゆる地境の確認になります。これでお隣とあなたの土地との境目がお互いにはっきりした。ということになります。
境界立会は誰が何のためにするのか。
作業の内容はお分かりいただけたと思いますが、では、境界立会は誰が何のためにやっているのかと疑問に思うかもしれません。
自分には一見関係なさそうな境界立会ですが、ある日突然自分のところにも起きるかもしれない出来事です。
測量させて欲しいと土地家屋調査士を名乗る人から、突然連絡があった場合のケースは、主に2パターンです。
パターン1
パターン2
こんな風に伝えてくるパターンがほとんどのことだと思います。境界立会の依頼はこの流れが多いからです。実際に私のところに来られた土地家屋調査士さんは、お隣の土地が将来売る可能性があるので、測量させてください。といらっしゃいました。
あまりに突然の連絡だと、何のために境界立会いの連絡をしてきたの?とか。なんで今なの?と疑問が飛ぶかと思います。地境なんてすでに決まっているはずでしょ?と思われるかもしれませんね。
お相手が境界立会を依頼してくるの主な目的は4つです。
境界立会依頼者の主な目的
- 土地を売買するため、隣地との堺を確定して、土地面積を明確にしたい。
- 相続などで土地を分割するとき
- 境界標を復元の必要があるとき
- 道路の幅員を確定するとき
つまり仮に、お隣の家や土地が売りに出されたり、相続があったりすれば、隣地であるあなたに境界立会依頼が来ることがあるのです。
境界立会は無視してもいい?現存の杭があれば立ち会う必要はない?
境界立会いというのは、自分が立会をお願いする側にいれば、境界立会を何のためのやるのか、作業内容を明確に意識できていると思います。ですが、お願いされる側にとっては、突然の出来事である場合がとても多いです。
ですが、突然だからといってめんどくさがって、立会を拒否したり、無視したりすることはおすすめしません。
もちろんお願いする側も、先方に配慮がは必要ですし、お願いされた側も、急なことでおどろいたとしても、必要以上に気分を害さず、境界の立会印をもとめられたら、問題の無い場合は協力して押印してあげてくださいね。あなたにも測量に立ち会うメリットがあります。
隣地の土地測量に立ち会うメリット
境界立会いに立ち会った時には、自分の分も測量図をもらっておきましょう。隣地所有者から立会の印を押してもらった測量図です。
個の測量図で、所有者がお互いに境界の確定を済ませることで、将来おこるかもしれない土地の境界トラブルを未然に防ぐことができます。つまり将来あなたのご家族や、お子様たちが、境界トラブルに巻き込まれたりしないようにしておくことができます。
立会い印を頂いた、測量図面は大切に保管してくださいね。
他にも、万が一、自分の土地をもしも売却することになったとしても、境界立会をしておけば、隣地との地境が確定済になるので、売却時のトラブルも未然に防ぐことができます。これらが測量に立ち会うメリットになります。
※隣地との境界を立会し、確認印を取得したものを確定測量図といいます。不動産売買時には確定測量図を添付する事が多いです。
境界を測量し直したりしたら、自分の土地が減る?
境界立会いの連絡が来て、不安になるひとつの原因に
はてな 測量なんてしたら、自分の土地が減ってしまうんじゃないか?
というご心配があります。しかし、現在境界杭がある場合には、境界点はすでにはっきりしていますので、いまある既存杭の境界点を認めますよ、そこであっていますよ。ということで書類に立会印を押印するだけなんですね。ですから現在隣地とトラブルもなく、お互いが認めている境界点に境界杭がすでにある方は、なにも心配いりません。
それでも、新しく測量すれば、所有する土地の面積が減るかもしれないと心配されるかもしれません。ですが古い測量図と比較すると、現在は測量機材の精度向上などによる、いわゆる測量誤差といわれる程度の面積の増減でおさまることがほとんどです。過剰なご心配はいりません。安心してください。
一方、杭が無い場合。古い測量図を基に境界杭を復元したり、隣地どうしでの合意点に新しく杭を入れる事になります。
ちなみにですが、境界立会いをやらずに、勝手に境界杭をぬいたり、こわしたり、動かせば刑法で罰せられることになりますので、知らなくて工事で壊してしまいました、適当に元あったあたりに動かしちゃった~なんてんことの無いように、そこはおねがいします。
測量で注意すべき事例。トラブルになるケースも。
土地の境界立会については、基本的に問題はありませんが、気をつけなければならないケースもあります。
注意ポイント
遠方のリゾート地や、リゾート物件、別荘をお持ちの方は要注意
気を付けなければならない事例は、遠方のリゾート地などの測量についての電話です。これは、あなたがお住まいと離れたリゾート地、あるいはリゾート物件、別荘なんかをお持ちだったり、相続していた場合です。
遠方のために、とくに赴くこともなく、放置状態にしていると、突然聞いたこともない不動産会社から連絡がくる場合があります。
とこんな問い合わせがあります。
遠方で使ってもいないし、別に欲しい人がいるなら売ってもいいなぁ…と思ってしまうかもしれませんが、注意してください。ありもしない作り話のケースがあります。
悪質な不動産会社からの、売買口実の測量話には注意して!
ここで少しでも、あなたが売ってもいいと態度をみせれば、
不動産会社は
といかいにも、最もらしい必要な理由をつけて言ってきます。
そして売却話をいかにもすすめる体を演出しながら、測量図を作成。そして高額な測量費を請求してきます。
測量費をはらってしまえば、売買の話はおしまい。
相手は逃げてしまう手口です。架空の売却話なので、もちろん現実に売却できることはありません。だまされて測量費だけを支払う事になってしまいます。
”測量費”を目的とした、別荘地の売却をすすめるサギ的な営業は、高齢者を狙うことが多いので、とくに注意してください。急に”別荘地の売却話&測量の話”がご高齢の方に来た時には、ぜひこのことを思い出して、詐欺被害に注意をして身近な知り合いにご相談してください。
まとめ
いかがでしたか、土地境界立会いに関する疑問が少しでもとけたでしょうか。最後に少し不安になる話を書いてしまいましたが、それは悪質な不動産業者の話なので、頭のすみにでも入れておいていただけたらと思います。近隣の方からご依頼の協会立会はあなたにもメリットがありますし、お隣さんとは長いお付き合いになる場合がほとんどですから、可能な限り立会をおすすめいたします。少しめんどうに感じるかもしれませんが、地境の確認は自分にも必要になるタイミングもあるかもしれません。お互い様の精神で気持ちよくお立会いされることをおすすめします。