不動産投資のリスクヘッジとしての出口戦略について
今回は、不動産投資でよく言われる出口戦略についての記事です。 出口戦略とは、不動産投資をはじめるとき、最終的な資金回収の戦略をたてること意味します。この記事では、出口戦略の主な方法と、そのポイント。個人投資家にとって、出口戦略はどこまで大切なのか?と思う気持ちも書いています。
投資した収益不動産を資金回収する【出口戦略】の主な方法
投資した収益不動産を資金回収する主な方法は、
購入して収益を上げている状況のまま、投資物件として売却する方法。
老朽化した建物の場合には、更地にして売却する方法。
一戸建てやファミリータイプのマンション投資の場合には、住宅用として売却する方法があります。
資金回収する主な方法
- 購入して収益を上げている状況のまま、投資物件として売却
- 老朽化した建物の場合に、更地にして売却
- ファミリータイプなら、住宅用として売却する方法
売却するときの価格設定ですが、
運用されている投資物件の価格は、家賃収入の収益性から利回が計算されて、価格が決まります。
また、広い土地の一部に建つ古アパートなどは、土地面積が広く収益性が悪いので、土地の価格が基準になり価格が決まります。
この場合には、賃借人の退去費用などの経費を差し引いた価格で取引されることが多いです。
出口戦略では、売却する時期も大切
出口戦略では、売却する時期も大切になります。 投資物件は、不動産価格の変動や、金融機関の融資条件が変化する影響から価格が変化します。
価格動向以外にも売却するタイミングをみる方法は、いくつかありますので、ご紹介します。
ポイント
- 建物の減価償却期間が終わる時期
- 保有期間で変わる譲渡所得の税率をみる
- 建物償却期間を終了した時期や、ローン支払いの元金部分が償却金額を超えてくる時期
ひとつは、建物の減価償却期間が終わる時期になります。建物償却期間の間は、経費と償却価格を合計した価格が合計家賃収入から差し引かれることになります。建物償却期間は、手元に償却した評価価格分の資金は課税されずに残ります。しかし、建物償却期間を過ぎると家賃収入から経費を除いた分が利益として、課税されます。建物償却期間を売却のタイミングと判断できます。
ふたつめは、個人の場合、不動産の保有期間で譲渡所得の税率が変わります。取得から5年以内の場合、短期譲渡所得として、約39%が税率となります。また、売却した年の1月1日で、5年を超過しているときには、長期譲渡所得となり、約20%の税率となります。
最後に、ローンの元金支払いが償却金額を上回ることがあります。建物償却期間を終了した時期や、ローン支払いの元金部分が償却金額を超えてくる時期があります。元金の返済は経費扱いになりませんので、家賃収入は黒字でも手元の資金が減ってしまうケースがあります。このタイミングで売却する方もいます。
不動産投資の出口戦略で大切なこと
不動産投資の出口戦略は、入居率の高い物件を選ぶことが大切です。価格を左右するため人気の高い地域や駅の近くなど、入居者が退去したあともすぐに入居者が見つかり、家賃の下落が少ない、安定した家賃収入がとても大切です。
融資の受けやすい物件を選ぶことも大切です。金融機関の評価の基となる建物の構造も大切ですが、中古物件の場合には順法性も大切になります。利回りは高いけれども、設計当初の計画と異なる使用をしているため、適法性の問題から融資を受けにくい物件もあります。
大切なポイント
●入居率の高い物件を選ぶこと
●融資の受けやすい物件を選ぶこと
出口戦略は、ひとつの考え方として理解することは大切です。しかし将来に関することは、だれにもわかりません。一般的に低い価格帯の投資物件は、出口戦略が有利になり、購入者も多いため収益性が劣ります。売却時の価格が下落していることもあります。売却したときには、借入金の残債は一括返済をしますので、残債が返済できないなどの失敗は自己資金を増やすことで、リスクを減らすことができます。
出口戦略にこだわりすぎない
不動産投資で損をしないための物件選びは、投資家個人がどこまでリスクをとるかの判断で異なります。また、出口戦略では、売却時期に不動産価格が購入時より下落している局面も考えられます。不動産投資のリスクを回避するには、出口戦略にこだわり過ぎずに、頭金を入れて購入した収益物件を長期運用しながら保有することで、リスクを軽減していくことができます。不動産投資で損することなく長期安定収入を得ましょう。
※こちらの記事では、私の不動産業者としての知見や経験をご紹介しています。不動産投資は、自己判断と自己責任でおこないください。
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