不動産トラブルから学ぶ

私道面の土地を買う!失敗しない為には?~掘削について~

私道に面する土地を買う時、その私道の持ち主から”掘削の承諾は得られているか”これは絶対に確認すべきことの1つです。 水道やガス・下水などの埋設管の新設工事のためには、道路の掘削工事を行わなければならないからです。ですから、私道面の土地を買うときには私道の権利関係の確認はとても大切です。

私道面の土地を買うときは私道の所有者とのやり取りが不可欠。

不動産会社も、私道に面する土地を買って、新しい家を建てようとする場合、必ずこの私道の権利関係の確認は行います。同時に、その私道所有者が、私道の掘削について了解してくれているかを確認します。

建物を建てるためには埋設管の工事が必要になります。ですから私道の持ち主に、道路を掘って穴をあけるても大丈夫かどうかを確認しておくことが必要だからです。

この掘削承諾書は、取得した不動産会社が、土地付き建物としてお客様に売却後も内容が継承されるように作られています。

私道の掘削承諾は、私道の全所有者から得なければならない。

基本的には工事の為穴をあけなければならない部分の、私道の所有者全員から掘削承諾を頂きます。

ちなみに、掘削承諾書の内容ですが、工事で道路を掘削した後、こちらの費用負担で修復する旨を記載します。

掘削で思わぬトラブルも…私道トラブル実例

実際に大手不動産会社でおきた事例です。お客様がある都内の土地を気に入りました。その土地の前面道路は私道でした。長い私道は行き止まりでしたが、お客様の気に入った土地は私道の途中に位置していました。

お客様との商談はご契約にむかい順調にすすんでいきました。今回も大手不動産会社が指定する土地家屋調査士が土地の測量を依頼されました。同時に私道に関する通行承諾を取得する件も依頼されました。この土地家屋調査士は、数年前に同じ私道の所有者から掘削や通行の承諾を頂いた経験あるため、そのことを不動産会社に説明しながら私道の承諾は問題なく頂けると伝えていました。土地の引き渡し期日が来たので、掘削の承諾を得る前でしたが、大手不動産会社は指定の土地家屋調査士の報告に基づき、お客様は最終残金の数億円を家の売主に支払い土地の引き渡しを受けました。

数ヶ月後、土地をご購入されたお客様は、ハウスメーカーと間取り等の打ち合わせも終わり、建築確認申請の準備に…しかしここで問題が発覚!

過去に土地家屋調査士が承諾を頂いた私道の所有者は、既にお亡くなりに…相続が発生してたのです。そして相続人は複数名でした。土地家屋調査士が各相続人へ通行・掘削の承諾を得るためにお願いへいくことになりました。ここで問題が起きたのです。『ひとりの相続人からはどうしても承諾が頂けない状況』になってしまいました。

この時にはじめて、土地家屋調査士から不動産会社の担当営業マンへこの状況が報告されました。当然、お客様は土地代金の支払いも済み、いよいよ建築に向けた計画がスタートしていたわけですから衝撃的なできごとです。お客様はハウスメーカーと相談され建築の計画を一時とめる指示を出すことに。

建築は止まり、私道の所有者から通行承諾の取得待ち状態になりました。今回、私道の所有者から通行承諾等を得られない理由は、私道の距離が長く今では私道の奥にまで家が建ち並び、奥の家の方々が保有する車が私道をよく通る状況になりました。車の通行が増えたことで、私道に埋められた水道菅や下水管、ガス管等がいたみ、こわれることを心配して、これ以上家が建つことが不安ということでした。

最終的に、このおひとりの相続人から私道に関する承諾を頂くのに、なんと2年かかりました。不動産会社の担当者が何回も相続人のご自宅へ通い、当初は門前払いの状況からようやく状況を説明をさせていただく機会を得て、説得するまでの苦労話を担当者から直接きいたことがあります。そうして2年後、ようやく承諾を頂けることになりました。

今回の土地をご購入されたお客様も非常に良い方で、私道の通行承諾を頂くまでの2年間、不動産会社の営業が私道の所有者と交渉しているあいだお客様は待ち頂け、2年後からふたたび建築に向けて計画がすすみはじめました。承諾に関するトラブルは影響が非常に大きい事例です。

私道の権利関係は重大なトラブルにつながりかねないので慎重に!

不動産売買では道路に関するトラブルも多く起きています。勝手な思い込みや安易な道路調査がトラブルの原因になることがあります。これから不動産購入をお考えの方は、このブログを読んでトラブルに巻き込まれないようにご参考にしてください。

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